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アーティスト・ステートメント ユ/小坂 青
コンセプトは「希望としての暴力」
はじめまして、小坂青と申します。
「希望としての暴力」「救済としての暴力」をテーマに制作しています。
幼少期、怒りや悲しみなどの感情を受け止める強さを持った存在に出会えなかった小坂は、暴力衝動と愛着願望を抱えたまま成長しました。アダルトチルドレンとして救済されない存在であること。また、それと同時に「未知なるもの」を永遠に欲する子供の精神であること。それが小坂の原点です。
小坂にとって「未知なるもの」に関わっていく行為は、生きる理由でもあり、希望そのものです。しかし、その関わり方は常に暴力を通じてしか実現できませんでした。またユング心理学における「永遠の少年」や「母なるもの」のイメージは、小坂の内的体験と重なり、未知と関わる手段の暴力以外にも受け止めてもらうことで救われるという二つの意味を持ち作品に形を与えています。
小坂は、未知•母性を擬人化し、どれほど暴力を加えても壊れない「概念」を常に作品としています。それは小坂が暴力を許す唯一の対象であり、言わば弱いものいじめではなく強いものいじめに、弱者がする暴力に意味を与えるからです。
また小坂の個人的なトラウマは、侵略も支配も経験していない日本に生まれたゆえ未熟さや幼さを抱えたまま生きていく人間、現代社会の欠けたケア、暴力と抑圧の問題にも繋がっていきます。
このように、小坂の作品は暴力を通じて救済を求め、希望を探し続ける子供の心と、それと表裏一体な社会的問題を映し出すものです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
Kosaka Ao 小坂 青



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